ピロリ菌は、日本人に感染者が多く、年代が高くなるほど感染率は高くなります。現在、ピロリ菌の検査はどのように行われているのでしょか。また、ピロリ菌の除菌の方法は? そして最近話題となっているヨーグルトでピロリ菌の除菌とは?
●ピロリ菌感染者は高齢者に多い!
ピロリ菌は感染する菌です。ピロリ菌は、日本人の感染者が多く、特に年代が高くなるほど感染率は高くなります。なぜかというと、ピロリ菌は乳幼児の頃の衛生環境が悪いと感染する確率が高まるからです。当サイトでは、ピロリ菌の検査についてと除菌の方法を詳しく解説します。

■ピロリ菌とは何かを理解しましょう…
ピロリ菌とは?
ピロリ菌は、1980年代に発見された細菌で、人間の胃の中に生息します。ピロリ菌は、胃の障害をおこす原因として注目されています。ピロリ菌は、正確な名前は「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。ヘリコというのは「ねじれている」という意味で、バクターは「細菌」といいます。そして、ピロリというのは胃の出口のことをピロルスというのですが、その名前を付けてピロリといいます。ピロリ菌は、その形がらせん状にねじれているので、「ヘリコバクター・ピロリ」と名づけられました。このピロリ菌は、人間の胃の中にのみ存在が確認されており、日本人の多くがこのピロリ菌を保有しているといわれています。ただし、年齢による差があり、年代が高いほどピロリ菌の感染率は高くなっています。なぜ、高齢者ほどピロリ菌の感染率が高くなっているのでしょうか?
ピロリ菌感染者が多い高齢者
現在、ピロリ菌の感染率が高齢者ほど高くなっているのは、現在の高齢者の乳幼児の頃の衛生環境が影響していると考えられています。ピロリ菌は乳幼児の頃の免疫力が弱いころに感染しやすく、そして衛生環境が悪いと感染する確率が高い菌なのです。現在の50歳以上の人は、戦時中戦後の衛生状態が悪いときに育っている方も多く、その頃にピロリ菌に感染してしまったのではないかと考えられています。ピロリ菌に感染している人の割合は、戦後間もない衛生環境が良くない時代に生まれた団塊の世代やそれから数年の間に生まれた現在50代以上の人では70〜80%の確率でピロリ菌に感染しているといわれています。年代が低いほど感染率は低くなりますが、全体で見ると日本人の二人に一人は、ピロリ菌に感染していると言われています。ピロリ菌は、一度感染すると胃の中に持ち続けることになります。そして、高齢になり身体自体が弱まってきたころにいろいろな障害をひきおこすわけです。
ピロリ菌に感染しているとどうなる?
これまでの研究により、ピロリ菌は慢性萎縮性胃炎、消化性潰瘍(胃潰瘍や十二指腸潰瘍)の発生と密接な関係があり、さらにはピロリ菌が胃癌の原因のひとつであることもわかってきました。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合は、およそ90%以上の人がピロリ菌を持っており、十二指腸潰瘍の場合には100%近い人がピロリ菌を持っていることがわかってきました。ただし、ピロリ菌がこれらの病気をおこす源であるかどうかはまだわかっていません。しかし、十二指腸潰瘍は、再発をおこす可能性の高い病気ですが、ピロリ菌を除菌した人のほとんどが十二指腸潰瘍を再発しないという結果もでていることからも、ピロリ菌が消化性潰瘍と関わっていることは考えられます。
では、ピロリ菌と胃癌との関係はあるのでしょうか? 実は、胃癌についてもピロリ菌が関わっていると考えられています。その理由としては、ピロリ菌に胃癌にかかる率がピロリ菌に感染していない人と比較してなんと5〜10倍も高まるといわれているからです。
ピロリ菌関連ニュース!
【毎日新聞より引用】ここから
●ピロリ菌>感染で胃がんのリスク5〜10倍に
細菌の一種の「ヘリコバクター・ピロリ」に感染すると胃がんになる率が5〜10倍高まることが、厚生労働省研究班(担当研究者=笹月静・国立がんセンターがん予防・検診研究センター室長)の大規模追跡調査で分かった。
しかし、除菌しても胃がんを防げるかどうかは不明といい、研究班は「予防には、禁煙や食事の減塩、胃がん検診の受診を勧める」としている。
研究班は1990年と93年に、全国の40〜69歳の男女計約3万7000人を採血。ピロリ菌への感染の有無や、体内の菌の毒素の有無を調べた。04年までに計512人が胃がんになった。
採血時にピロリ菌感染が確認された人は、確認されなかった人に比べ、5.1倍の率で胃がんになっていた。
さらに、採血時に感染はなかったが、過去の感染の影響とみられる菌の毒素が確認された人も含めると、感染か毒素があった人はどちらもなかった人の10.2倍の率で胃がんになっていた。
菌の影響で胃粘膜が炎症を起こして萎縮(いしゅく)し、がんになりやすくなるらしい。ただ、感染歴がある人は調査対象の約94%と推計され、胃がんになるのはその一部という。
(毎日新聞)2006年9月5日
【毎日新聞より引用】ここまで
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ピロリ菌を除菌すると胃癌にならない?
ピロリ菌と胃癌との関わりがあるらしいことは徐々にわかってきました。では、ピロリ菌を胃から除菌すれば胃ガンの発生率は下がるのでしょうか?
愛知県がんセンターの研究では、確かにピロリ菌をなくすと胃ガンの発生率が下がるという結果が出ているそうです。愛知県がんセンターが発表した内容の一部を抜粋しておきます。
【中日新聞より引用】ここから
がんセンターはすでに、投薬治療でピロリ菌を除去すれば、胃がんの発生が減るとの研究成果も得ている。研究を指導した立松正衛副所長は「除菌とともに、感染しない環境づくりが重要だ」と話す一方で「若年層のピロリ菌感染率が今後も低くなれば、胃がんの発症率が将来、劇的に下がる可能性もある」としている。
【中日新聞より引用】ここまで

■ピロリ菌の検査方法や除菌方法について…
ピロリ菌の検査方法
ピロリ菌を持っているかどうかを調べる検査方法は大きくわけて2つあります。ひとつは、内視鏡によってピロリ菌を検査する方法です。いわゆる胃カメラによって検査する方法です。もうひとつは、内視鏡を利用しないでピロリ菌を検査する方法です。
●ピロリ菌を内視鏡によって検査する方法
・内視鏡(胃カメラ)を使うピロリ菌の検査方法は、胃カメラをのんだ時に胃の小さな組織を取ってきて、その組織を顕微鏡で見たり、菌の培養をしたり、あるいは特殊な薬に付けて調べたりすることによって、ピロリ菌に感染しているかどうかを検査します。
●ピロリ菌を内視鏡を使用しないで検査する方法
おもに次の3つがあります
・血液や尿の成分検査による方法
・便の検査によって調べる方法
・尿素呼気試験(UBT)による検査方法
中でも、尿素呼気試験(UBT)が普及しつつあります。尿素呼気試験(UBT)とは、試験薬(13C尿素)を飲み、その後に吐く息を調べ、ピロリ菌に感染しているかを検査する方法です。息を吐くだけでピロリ菌の検査ができるので、非常に簡単な検査といえます。また、この検査では、ピロリ菌の存在が敏感にわかることからもピロリ菌検査には優れているといえるでしょう。
ピロリ菌に感染しているかどうかを検査したい場合には、医師とよく相談し検査方法を決めましょう。
ピロリ菌の除菌(抗生物質)
ピロリ菌の除菌の方法についてです。現在、ピロリ菌の除菌をする場合は、抗生物質の投与(同時に胃酸を抑える薬も飲みます)によって除菌をする方法があります。薬をおよそ1週間飲めば、ピロリ菌は除菌されます。この方法による除菌は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に罹っている人を主体に行われています。
実は、ピロリ菌がただいるだけの状態では、抗生物質による除菌は行わない方が良いのです。その理由としては、副作用の問題もありますが、除菌に失敗すると耐性菌が出来る恐れがあるからなのです。つまり、抗生物質では除菌されないピロリ菌ができてしまう場合があるのです。抗生物質の投与によってピロリ菌の除菌ができる人はおよそ9割といわれています。つまり1割の人は耐性菌などによって、ピロリ菌の除菌ができないのです。
薬を使わずにピロリ菌を除菌!
抗生物質などの、薬を使わずにピロリ菌を除菌する方法はあるのでしょうか?
それが最近話題になっているヨーグルトによるピロリ菌の除菌方法です!
2000年に、東海大学と明治乳業などの研究グループが、特定の乳酸菌のなかに、ピロリ菌を減らす作用があることを突きとめました。研究グループによると、胃の中にピロリ菌がいるピロリ菌感染者29人に対し、「LG21」という乳酸菌を配合したヨーグルト90gを一日二回、8週間食べてもらう実験を行い、その結果、26人でピロリ菌が減少を確認しました。また、このうち3人は、ピロリ菌が消失したことを確認しました。また胃粘膜の荒れも改善されていたと報告しています。さらに6人について内視鏡検査したところ、菌は 1/10〜1/100に激減Lていたとも発表しています。
このピロリ菌の除菌をしてくれる「LG21」のヨーグルトは、スーパーのヨーグルトを販売しているコーナーで手軽に買えるので、試してみるのもいいでしょう。ヨーグルトは健康に良い食品ともいわれていますし…
ヨーグルト以外には、梅肉エキスにもピロリ菌を抑制する効果があるようです。梅肉エキスとは、完熟していない青梅を熱してトロトロの状態になるまで煮込むことで出来るもので、梅干とは違います。ただし、この説はまだ研究が始まったばかりで、どの程度の効果があるかは、これから期待しましょう。
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