脳ドッグとは何でしょうか? 脳ドッグを受けることによって、どんな病気を知ったり予防できたりするのでしょうか… 全国の病院に広がりを見せる脳ドッグについて詳しく説明します。
●脳ドッグを受診してみませんか!?
脳ドックは、その字のごとく「脳」のためのドックのことです。「人間ドック」は知ってるけど「脳ドック」はご存知ない方もまだまだ多いようです。脳ドックは、生活習慣病や成人病を早期に発見したり予防するのにとても効果があります。脳ドックについて理解を深め、脳ドックを受けることも検討してみましょう!

脳ドックの正しい知識
脳ドックとは?
脳ドックとは、MRI(※1)やMRA(※2)を使用して人間の脳の中の血管の状態を画像で見ることによって、病気の早期発見や予防を目的とする手段です。厚生省による人口動態統計では、脳卒中で亡くなられた方の半分以上が脳梗塞で、くも膜下出血が10%強を占める結果となっています。脳梗塞は脳の動脈硬化が原因となりますし、くも膜下出血は脳動脈にできた脳動脈瘤の破裂によっておこる脳内の出血が原因のひとつとなっています。つまり、脳の中でおこる血管の異常によって脳卒中はおこりますから、脳の中の血管の状態をあらかじめ知ることができれば、脳卒中発症の予防や脳の病気の早期発見ができるわけです。脳ドックでは、脳腫瘍の発見も目的とします。また、最近では、脳ドックで脳の中の血管の状態を知る事により、痴呆(ボケ)の早期発見も可能となってきました。
(※1)MRI(磁気共鳴撮影):脳の断層撮影を行い、主に脳梗塞、脳腫瘍、外傷の後遺症、脳の萎縮等の早期発見を目的にします。
(※2)MRA(磁気共鳴を利用した血管撮影):主に脳動脈瘤、血管狭窄、脳動静脈奇形等の脳の血管の病気を調べます。
脳梗塞とくも膜下出血
■脳梗塞とは
脳梗塞は脳卒中のなかでも最も多いタイプです。脳梗塞は、心臓から脳に至る血管および脳血管が細くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)して、脳細胞が死亡(壊死)する病気です。脳梗塞には脳血栓と脳塞栓の2通りがあります。脳梗塞になる原因のひとつに動脈硬化があります。動脈硬化とは、、血管の内腔が狭くなる状態のことです。動脈硬化は、高血圧や糖尿病のある方、又は血中のコレステロールの値が高い方では、動脈の壁が傷つき、その部分に脂質や血液の固まりがつきやすくなり、血管の壁が部分的に徐々に厚くなることなどで起きます。脳の血管が、動脈硬化により狭窄したり閉塞してしまうと、酸素や糖等のエネルギーを供給している血液がその先の脳細胞に充分、行き渡らなくなってしまいます。この状態が脳梗塞です。脳ドックでは、動脈硬化を発見し、脳梗塞を予防することを目的にします。
■くも膜下出血
くも膜とは、脳を保護する3層の膜の膜のひとつです。脳の膜は、外側より硬膜、くも膜、軟膜があります。くも膜は、文字通りくもの糸のように細い結合組織の膜で、脳動脈がその中を通っています。くも膜と脳との空間には、保護液でもある脳脊髄液も循環しています。この、くも膜と脳との空間(くも膜下)にある血管が傷んで切れると、くも膜下出血が起こります。血圧の高い人や、動脈硬化が強い人では、脳の表面にある比較的太い動脈が、分岐部で血管壁の障害を起こし、動脈の壁に小さな風船のようなふくらみができることがあります。このふくらみは、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)と呼ばれ、一旦脳動脈瘤が形成されると、長い間に徐々に増大し、ある日突然、破裂します。これが、くも膜下出血と呼ばれる病気です。くも膜下出血は、脳卒中全体の1割を占めます。脳ドックでは、MRIという装置を用いて脳の血管を抽出し、四ミリ以上の脳動脈瘤であれぱ発見率は高く、致命的な破裂をきたす前に発見でき、予防策をたてることができます。
●わかりやすい脳動脈瘤・クモ膜下出血の説明はこちらです。
■脳ドックの検査費用
脳ドックは健康診断に該当するため、健康保険は使えません。ただし、見つかった病気の治療については保険が適用になります。また、脳ドックにかかる費用は、検査内容によって異なりますので、脳ドックを行う病院にお問合せください。また、人間ドックのオプションとして設定されている病院やクリニックもありますので、人間ドックと脳ドックを一度に行うことも良い方法であると思います。市町村などによっては、脳ドックや人間ドックの費用の一部負担をしてくれる地区もあります。一度、ご確認いただくといいと思います。
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■脳ドックで異常が発見されたら
脳ドックを受診し、症状がまだ現れていない無症候性脳梗塞が見つかった場合は、危険因子を調べて治療すれば予防できます。 危険因子の多くは、高血圧、糖尿病、高脂血症、心疾患、タバコなどが多いようです。それらの原因を調べ、それらを改善する生活指導などを受けます。
動脈硬化が進行している場合には、抗血小板薬(血栓をできにくくする薬)の服用が脳梗塞の予防に有効とされます。もちろん医師の判断により処方されますので、薬と生活習慣の改善などによって動脈硬化を治癒しましょう。
脳動脈瘤が発見された場合には、破裂の危険性が高いと推定される動脈瘤を治療することで、クモ膜下出血は予防できます。その他、病気が進行具合などによっては手術なども考えられます。いずれにしても、脳ドッグを受診することによって、健康をとりもどしたり、最悪の場合を予防することが可能になりますので、脳ドックの受診を前向きに検討されることをおすすめします。脳ドックは現在は、東京、大阪、名古屋などの大都市の病院以外にも全国各地の病院で受診することができます。近くの病院に問い合わせてみましょう。
●日本脳ドック学会のホームーページはこちらです。


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